こんにちは。CA-P(キャップ)(@canadaportal)です。
冬季におけるクルマのタイヤのお話です。
日本では積雪の多い地方のお住まいの方やウインタースポーツを楽しむ方は、クルマのタイヤを夏タイヤからスタッドレスタイヤへ交換することが多いのではないでしょうか。
カナダでは、1年のうち5~6ヵ月間が冬といっても過言ではありません。
もちろんカナダでも冬ともなれば、タイヤ交換をする方が多いです。
私は、今シーズンにタイヤ交換をして、日本で履いたスタッドレスタイヤとは性能が異なることがわかりました。
この記事では、カナダと日本とのウィンタータイヤの違いについてご紹介いたします。
スパイクタイヤ
日本では「スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律」によって、コンクリート舗装やアスファルト舗装がされた道路では、一部の指定された地域を除いて、スパイクタイヤの使用が禁止されています。
日本では、豪雪地帯となる北海道、東北、中部、北陸などの一部でスパイクタイヤの使用が許可されているようです。
カナダでは、大方の方が予測しているとは思いますが、定められた期間(例:11月1日~4月30日)だけスパイクタイヤ(Studded Tire)の使用許可が認められている地域が多くなっています。
ただしカナダでは日本と異なり、人口の多い都市でもStudded Tireの使用が認められていることもあり、路面をスタッドで掻いたせいで、雪が溶けた後の春先は砂塵が舞う光景となるのです。
決してStudded Tireだけが要因ではありませんが、冬に道路を傷めつけ、夏に道路舗装工事を行って交通渋滞を生むというサイクルを毎年繰り返しているように思います。
スタッドレスタイヤ
Studded Tireの使用が認められているとはいえ、そこまでする必要性を感じなかったこととスタッドレスタイヤ(Studless Tire)の方が安価だったので、用途面と費用面から考えてStudless Tireを購入しました。
私のクルマの標準タイヤサイズは「205/55 R 16」です。
ちなみに、205(タイヤ幅の呼称:mm)、55(扁平率:%)、R(ラジアル構造)、16(リム径の呼称:inch)を表しています。
インターネットで調べた結果、私のクルマのブレーキロータは小さいため、15インチへのインチダウンができそうでした。
おそらくインチダウンをすれば「195/65 R 15」が履けてタイヤ代も安く済みそうです。
しかし、同時にリムも買わなければならないことと、標準リムに履いている夏タイヤの山がほとんどなかったことで、同じリムへ同じサイズのタイヤに履き替えをすることに決めたのです。
タイヤとタイヤショップの選定
カナダでは、よく見かけるタイヤメーカーのほとんどは、海外メーカーです。
カナダ国内のタイヤメーカーがあるのかどうかよくわからないです。(すみません)
インターネットで検索すると挙がってくるのは、日本でもお馴染みのブリジストン、ヨコハマ、ダンロップや、サイルンのようなアジアンタイヤの他に、ミシュラン、コンチネンタルのようなヨーロッパのメーカーでした。
日本では、アジアンタイヤが国産タイヤよりも安価だけど性能が低いというイメージがあるような気がします。
カナダでは、アジアンタイヤだからといって、特別安い印象はありませんが、ブリジストンやミシュランは高価な印象があります。
調べたところ、「205/55 R 16」用ウインタータイヤでは、およそCAD$120~200/本となり、CAD$480~800/4本が相場のようでした。
タイヤ代に工賃、排タイヤ代、税金などをプラスすれば、CAD$650~$1,000/1台分となりそうです。
もし後でスタッドボルトを埋め込みたい場合には、埋め込む穴があるStuddable Tireというウインタータイヤもあります。
スタッドボルトの埋め込みをショップに頼めば、商品価格と工賃が更に上乗せとなりますが、Amazon.caとかで入手できるのでDIYでもいいかもしれません。
私は、スタッドを埋め込む予定がないので、穴無しのウインタータイヤから選定しました。
更に本格シーズン突入前で、しかも込みそうなブラックフライデーシーズン前の11月初旬に、割引率が高いウインタータイヤを購入することにしたのです。
おそらく昨シーズンの在庫タイヤだと思われますが、そこは納得して購入することにしました。
なおタイヤの購入先ですが、カナダではお馴染みのホームセンターであるCanadian Tireが25%OFFセールをやっていたので、あっさりとここで買うことに決定です。
コンチネンタルのウインタータイヤ
私は、コンチネンタルの「Winter Contact SI Plus Tire」というタイヤを選定しました。
選定した理由は3つあります。
- 25%OFFセールであったこと
- Winter Contact SI Plus TireがCanadian Tire専売タイプで安価であること
- 日本ではコンチネンタルが自分にとって身近ではなく、試してみたかったこと
Winter Contact SI Plus Tireは、Canadian Tire専売となっています。
日本でいえばブリジストンタイヤを取り扱うコクピットやタイヤ館で専売となっているアイスパートナーのような位置づけと考えていただければよいと思います。
アイスパートナーは、ブリジストンの過去モデルと同等のタイヤ性能である代わりに、安価で販売されているお買い得タイヤです。
このようなタイヤは、必ずしも最新モデルのタイヤを求めていない私のような購買層に突き刺さる廉価版となっています。
アイスパートナーがブリジストンの最新スタドレスタイヤでないのと同様に、Winter Contact SI Plus Tireは、コンチネンタルの最新スタッドレスタイヤではないから安価なのでしょう。
タイヤの製造年
さて気になるタイヤの製造年は、☟画像の「2320」から昨年の2020年第23週目製造ですから、2020年6月第1週目製造とわかりました。
安売りのタイヤなので、ある程度の年落ちは覚悟していましたから、1年落ちのタイヤは私の許容範囲内です。
ちなみに4桁の数字ですが、前2桁がタイヤ製造週、後2桁が製造年を表しています。
そしてタイヤの価格は、CAD$193.99/本から値引きでCAD$144.52/本で、工賃、排タイヤ代、税金などで総額CAD$788となりました。
けっこう痛い出費です。
LI(ロードインデックス)
タイヤには、他にもLI(ロードインデックス)と速度記号が表示されています。
タイヤサイズの「205/55 R 16」の後に表示された「 94 」「H」が該当します。
このタイヤのLI(ロードインデックス)は「94」で、規定の条件下においてタイヤ1本で支えることができる最大負荷能力が670kgであることを示す指数です。
その他の指数と対応する最大負荷能力に関して、ここでは割愛しますが各タイヤメーカーの公式ページを閲覧すればわかります。
例としてダンロップを挙げておきます。
謎の速度記号
最後の「H」は速度記号を表しており、このタイヤは最高速度210km/hとなっています。
速度記号 | L | N | Q | S | T | H | V | W | Y |
最高速度 | 120 | 140 | 160 | 180 | 190 | 210 | 240 | 270 | 300 |
ここで、ひとつの疑問が生まれました。
日本で販売されているスタッドレスタイヤのほとんどは、速度記号「Q」となっていると思います。
でも私の購入したタイヤの速度記号は「H」です。
ここまで違うものなのか?
そこで、カナダで販売されいるその他のウィンタータイヤを見てみたら、速度記号は「T」または「H」がほとんどでした。
「W」や「Y」のタイヤは、私が買うことができない高価なスポーツカー用のノーマルタイヤの規格ですから論外です。
しかし日本では、「H」や「V」はノーマルタイヤ用の規格であることが多いと思います。
どうやらカナダで販売されているタイヤは、ノーマルでもウインターでも同等の最高速度が出せるタイヤとなっているようです。
タイヤの感触
許容最高速度が低い要因のひとつは、ゴムの柔らかさにあるでしょう。
実際、タイヤを触ってみればわかると思いますが、日本のスタッドレスタイヤはノーマルタイヤより柔らかいはずです。
ところが、私の購入したタイヤは、日本で買ったスタドレスタイヤほどの柔らかさの感触がありません。
というか、ノーマルタイヤより若干柔らかいかな?という程度で、ゴムが硬いという印象です。
もちろん詳細を知りたい場合には、硬度計で測定する必要があります。
カナダと日本とのクルマ使用環境の違い
新品スタッドレスタイヤの山の高さ(溝の深さ)は、およそ10mmです。
スタッドレスタイヤには、タイヤ使用限界を示すスリップサインとウィンタータイヤとしてのタイヤ使用限界を示すプラットフォームの2つの表示があります。
スリップサインの山の高さは、およそ1.6mmで、車検が通るギリギリの高さとなっています。
プラットフォームの山の高さ(溝の深さ)は、およそ5mmです。
つまり、ウインタータイヤとしてのスタッドレスタイヤの寿命は、タイヤ自体の寿命のおよそ半分といえます。
その後は、スリップサインまでは夏タイヤとして使用できますが、もともとスタッドレスタイヤは濡れた路面に弱いため、タイヤメーカーは推奨していないようです。
カナダでは、もちろん居住地にも依存しますが、年間走行距離は日本よりカナダの方が多い傾向にあります。
カナダの道路では、街中の最高速度は60km/hが多いですが、郊外であれば最高速度80km/hや100km/hの場合もあるので、カナダでは最高速度が重要なのでしょう。
もしかしたら、日本と同じ柔らかさのタイヤでは、2年程度でウィンタータイヤの寿命がきてしまうので、カナダではある程度硬いゴムのタイヤが必要なのかもしれません。
運転してみた感想
私の運転技術は大したことがないので、参考にならないのかもしれませんが、ひとりの消費者としての感想を述べておきます。
いくら硬いとはいえ、新品でタイヤの山がありサイプも十分ですから、積雪路面を走ることは問題がないと感じました。
一方、制動性能ですが、こちらは満足できるレベルにないような気がします。
凍った路面では、ブレーキをかけるとコントロールを結構失います。
ちょっと急ブレーキをかけると、いとも簡単にABS(アンチロックブレーキシステム)が働いて、グングン制動距離が延びます。
まとめ
カナダで販売されているスタッドレスタイヤに対する私個人的な感想をまとめます。
- ウインタータイヤとしての性能は、日本のスタッドレスタイヤよりも劣る。
- タイヤの寿命は、日本のスタッドレスタイヤよりも優る。
いくらウインタータイヤだからといっても、日本の感覚で運転すると、結構痛い目に合いそうです。
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