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RUSH(ラッシュ) A Farewell To Kings(フェアウェル・トゥ・キングス)

カナディアン・ミュージック
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こんにちは。CA-P(キャップ)@canadaportal)です。

 

初めて聴いたRUSHのアルバムは「Hemispheres」でした。今でも聴き続ける愛聴盤のひとつです。「Hemispheres」は、コンセプト・アルバムとして完成されています。でも結果的には、続編である「Cygnus X-1 Book II」を先に聴いてしまいました。なので「Cygnus X-1 Book Ⅰ」が気にならないわけがありません。

 

となると、次に聴きたいのは「Cygnus X-1 Book Ⅰ」が収録されたアルバムです。今回は「Hemispheres」の前作である5枚目のスタジオ・アルバム「A Farewell To Kings」をご紹介いたします。

 

RUSH(ラッシュ) Hemispheres(神々の戦い)

 

A Farewell to Kingsが見つからない

 

RUSHは、カナダでは、国民的なバンドです。でも、残念ながら日本では、マイナーなバンドです。その事実を裏付けるかのように、10枚目のスタジオ・アルバムに伴う「Grace Under Pressure Tours」で、たったの1度しか来日していません。(1984年 11月16日 愛知瀬戸市文化センター、18日 福岡サンパレス、20日 大阪府立体育館、21日 日本武道館の4講演のみ)

 

 

2018年に、Alex Lifesonが、インタビューで「ツアーやレコーディングをする計画は、まったくない。基本的に終わった。40年以上やってきて、もう十分だ。」と語り、バンドの終焉(しゅうえん)を宣言しました。つまり、1984年は、唯一の来日公演となってしまったのです。

 

 

日本では、この程度の知名度なので、レンタル店に、他のアルバムが見当たりません。RUSHが、あっただけでも奇跡だったのです。こうなったら、仕方がありません。購入する以外に聴く手段はないのです。しかし、さらに問題がありました。人気がないが故に、既に多くのアルバムが廃盤または生産中止になっていました。現在も廃盤➡再発➡廃盤➡再発を繰り返しています。

 

当時、音楽ソフトを購入していた販売店はチェーン店でしたので、他の店舗に連絡をとってくれるように頼み込み、なんとか「A Farewell To Kings」を取り寄せてもらいました。実は、この「A Farewell To Kings」を入手したとき、もうひとつ良い情報を得ていました。名盤といわれる4枚目のスタジオ・アルバム「2112」が、この時点では、まだ入手しやすいことがわかったのです。安心して「2112」の購入を後回しにすることができたのです。

 

A Farewell to Kings <SIDE-A>

A Farewell to Kings

 

「A Farewell To Kings」というタイトルは、ヘミングウェイの小説の「A Farewell To Arms(武器よさらば)」からとっています。

 

なんとなくタイトルから想像がつくかもしれませんが、この曲では、封建時代の王のことを「王の装束をまとった腹がどす黒い魔物」と表現しています。民衆は、その暴君に恐れ、己の無力に嘆きながら、服従を余儀なくされてしまうのです。歌詞の最後でも、なんとか我々を導いてくれる精神はないだろうかと同じアルバムに収録されている曲名の「Close to the Heart」と嘆願しつつ終わります。

 

物憂げなアコースティック・ギターから始まり、キーボードが絡んできます。1分過ぎたあたりから、緩やかで軽やかなリズムに展開していきます。緩やかなんですが、拍がよくわからないです。ギターソロは、なんかグチャグチャです。洗礼された変拍子ではなく、なにをやっているかわからい系が少しあります。

 

Xanadu

 

Xanaduといえば、Olivia Newton-JohnのミュージカルやPCゲームを思い浮かべてしまいがちですが、RUSHのアルバムの発売の方が早いはずです。

 

Xanaduとは、モンゴル帝国(元)のクビライが、モンゴル高原南部に設けた夏期の間だけ過ごした都のことです。マルコ・ボーロの「東方見聞録」によって西洋にも知れ渡るようになりました。歌詞の世界は、西洋人から見た東洋の桃源郷、ロマン派詩人的であることは明白です。

 

そして曲の方は、11分くらいの大作です。シンセベース、ベル、SE、ヴォリューム奏法のギターサウンドで、徐々に3分ほど盛り上げていったあと本編が始まります。5分を越えたあたりから、やっとヴォーカルが入ってきます。その後、ブレイクと歯切れのよいテンポでエンディングまで突き進んでいく曲調となっています。

 

A Farewell to Kings <SIDE-B>

 

 

Closer to the Heart

 

「A Farewell To Kings」の最後の嘆願は、この曲が答えます。「Closer to the Heart」はRUSHのライブに欠かせない曲となって、後期までプレイし続けられています。この曲に関しては、好き嫌いをとりあえず置いておいて、覚えておく必要がある課題曲の一つです。知らないとライヴで置いてきぼりを喰らってしまうおそれがあります。(もうライヴを観ることはできませんが・・・)

 

アコースティック・ギターのアルペジオではじまる小曲です。ライブ版の方が速いテンポでプレイされています。ヴォーカルのシャウトとともにリズムが速くなって、ギターソロへ突入します。ブレイク後は、再びアルペジオとなって、歌が絡んでいきます。何度が聴いているうちに、ライブでやりやすい曲であると納得できます。

 

Cinderella Man

 

シンデレラ・マンです。苦労もせずに富を手に入れた男の曲です。全体的にゆったり、「シンデレラ・マン」というリフレイン以外、頭に残らないポップな曲です。

 

Madrigal

 

タイトル通りの「小曲」「叙情歌」「叙情短詩」という感じです。大きな展開は無くフェード・アウトしていきます。次の「Cygnus X-1 Book Ⅰ」への箸休め的な曲かもしれません。

 

Cygnus X-1 Book I: The Voyage

 

この曲は「To be Continued…」で締めくくるため、結果論からすれば、次作の「Hemispheres」の序章となった曲です。しかし、あえてセットで聴く必要はありません。歌詞や物語の内容は続きを意識してもよいのですが、完成度の高い「Hemispheres」の冒頭に、この曲を無理やり付け足す必要はありません。

 

主人公は、宇宙船ロシナンテ号で、シグナス(白鳥座)にあるブラックホールを目指します。ブラックホールを目指すのですから、まさにドン・キホーテとロシナンテです。このドン・キホーテもどきが、「Hemishperes」では、まさか、あのような形で再び我々の前に出てくるとは、当時のRUSHファンは知る由もなかったことでしょう。

 

曲は、SEに始まり、まずはBassが乗っかって、Drumsが絡み、Guitar登場という大作にありがちな構成でスタートです。しかし、曲の前半で、結構、思わせぶりな曲の展開をしておきながら、後半がアッサリ終わるので、RUSH本人たちも不完全燃焼であったのでしょう。だから、「To be Continued…」としてしまったのでしょう。

 

曲の最後でのGeddy Leeのシャウトは、音程的には、かなりの高音ですが、「Hemispheres」で聴くことができる心地よいシャウトとは異なるのです。やけくそ的なテンションが楽しめます。

 

まとめ

 

このアルバムは名盤「2112」と傑作「Hemispheres」に挟まれた可哀そうな運命にあります。

 

聴かなくてもいいということ?

 

【本記事のチェック・ポイント】

  • RUSHの歌詞の世界に浸る目的であれば「Hemispheres」とセットで聴く方がよいでしょう
  • RUSH未体験なら、「Moving Pictures」と「2112」を最初に聴いて「Hemispheres」と「Permanent Waves」聴いた後に、本作品を聴くとよいでしょう(RUSH未体験なら、後回し)
  • 先行して「Closer to the Heart」だけ抑えておくのもアリです

 

なるほど、「Closer to the Heart」だけ抑える手がありましたね。

 

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