こんにちは。CA-P(キャップ)(@canadaportal)です。
カナダ出身の怪物トリオのRUSH最大ヒット・アルバムは「Moving Pictures」 です。このアルバムによって、世界的にも不動のミュージシャンとなりました。今回は、RUSHのターニング・ポイントとなった「Moving Pictures」について紹介します。
中期RUSHの完成形
「Moving Pictures」は、RUSHの8枚目のスタジオ・アルバムとなります。前作の「Permanent Waves」よりレコード会社の意向があり、大作主義の楽曲はなくなり、ヒット曲が生まれました。そして、続くこの「Moving Pictures」にも、比較的、短い曲が行儀よく並び、Geddy Leeのヴォーカルも耳に馴染みやすいポップな歌い方に路線変更しています。
結果的にも、全米のチャートアクション(最高4位)となり、大成功を収めました。RUSHの良い所は、ポップな楽曲に変更しても、プログレッシヴ的な複雑な演奏およびアレンジを上手に残していることです。アルバムの曲順もバランスよく、ヒットをしたのも頷けます。
実は、前作の「Permanent Waves」の後は、ライヴ盤を発売する予定だったのですが、メンバーの作品創作意欲が高まり、ライヴの発売を延長して製作されたスタジオ・アルバムだったのです。しかも、このアルバムの収録曲は、発表以降のライヴの定番となる曲が並んでいます。
このアルバムは、大作主義のRUSHファンには物足りないけど、RUSHを聴いたことがない人にすすめるなら、まず最初の1枚にピッタリのアルバムです。このアルバムを足掛かりに、遡って探求していくのがBestです。
Moving Pictures <SIDE-A>
Tom Sawyer
まさに、レコード会社の意向に、素直に答えたA面1曲目です。シンセサイザーがイントロから効果的に使われています。ポップなんですが、他のバンドとは違うただならぬ雰囲気を出すことに成功しています。RUSHに詳しくない人も知っているという代表曲です。前作も今作もA面1曲目に、RUSHのヒット曲が誕生しています。
Red Barchetta
この曲は、ギターのハーモニックスのイントロから始まります。ほぼ4拍子で曲が進行するため、ごく普通に聴けるのですが、ギターソロは変拍子になるため、かなり変わった印象を与えることに成功しています。ちなみRed Barchetta(レッド・バーチェッタ)とは、赤いフェラーリのオープンカーを差しています。(日本では、バルケッタと表記されています。)
YYZ
ライヴの最重要インストゥルメンタルです。YYZとは、トロント国際空港の空港コードのことです。成田国際空港のNRTと同じです。イントロは、そこから送られるモールス信号となっています。RUSHのコピーバンドが必ずレパートリーに組み込む1曲となっています。
Limelight
4拍子のミドル・テンポのギターリフから始まります。この曲は、3拍子や6拍子も織り交ぜているのですが、意識させない曲作りとなっています。ギターソロは、ゆったりとした展開から1音を引っ張る感じが多いので、ギターキッズにとってはイマイチかもしれません。
Moving Pictures <SIDE-B>
The Camera Eye
大作主義ではなくなったRUSHなので、11分もある曲は、非常に長い曲に感じられます。というのもほぼ2つのコードだけで構成されているからかもしれません。曲名は、John Roderigo Dos Passos(ジョン・ドス・パソス)の小説からとったものらしいのですが、私は、この人の本を読んだことがないので、ピンときません。
Witch Hunt (Part III of Fear)
Death Metal や Black Metal のバンドが好きそうなタイトル曲です。歌詞の内容もまさにそれです。歌詞の内容には、興味をそそるものがあるのですが、曲全体が、ゆったりズルズルと引き摺っているので、ライヴ映えをする曲ではありません。
Vital Signs
スト2の体力ゲージではありません。ギターカッティングがレゲエ調であるのですが、RUSHは、それをROCKとして聴かせてしまいます。でもRUSHとしては、やや単調です。
まとめ
RUSHのセールス的には、一番成功したアルバムになります。
ちょっと、引っかかるものの言い方ですね。
【本記事のチェック・ポイント】
- RUSH未体験者が最初に聴くのに良い入門講座的なアルバムです。
- 金切りハイピッチ・ヴォーカルはありませんので、聴きやすいでしょう。
- PVで流れた曲が収録されています。
RUSHが好きなるかどうかの踏み絵的なアルバムですね。
コメント